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相続へのお取り組みはいつから始めるべき?相続準備を早めに始めるメリット【税理士監修】

相続

写真:萱谷 有香

監修者

萱谷 有香

叶税理士法人 東京事務所代表
税理士・上級相続カウンセラー

目次

相続へのお取り組みの必要性は感じていても、「いつから始めればいいのか分からない」「まだ先の話だから」と、つい先延ばしにしてしまう方も少なくありません。この記事では、相続はいつから・どんなことから始めればいいのか、また、相続を始める前に知っておくべき点について解説します。

1. 相続、まだ先の話と思っていませんか?

相続なんてまだ先の話だろうと思っていませんか?いつかはやらなければと思っていても、ついつい先延ばしにしてしまいがちなのが相続へのお取り組みです。しかし、相続のタイミングはいつやってくるか分かりません。相続が始まってからでは対応できることがほとんどないため、早いうちからしっかりと相続へ向けた準備を始めることをおすすめします。

相続へ向けた準備と一口に言っても、その方法はさまざまです。まずは、相続にはどのようなものがあるのかを理解し、相続財産の種類や額、相続人となるご家族の状況や被相続人であるご自身の状況に合わせて適切な相続へのお取り組みを検討しましょう。

1-1. 遺産分割に関する準備

相続で特にトラブルに発展しやすいのが遺産分割だと言われています。
健康を損ねてしまうと相続を検討するのも難しくなってしまうため、大切なご家族たちの間で相続を巡る争いが生じることのないよう、遺産分割に関する準備はできるだけ早めにしっかりと検討しておきましょう。

遺産分割に関する準備としては、遺言書の作成や生前贈与の活用があります。
例えば、法定相続人以外に分割したい、法定相続分と異なる割合で相続させたいという場合には、遺言書を作成しておく必要があります。遺言書を作成することで、保有する財産について誰に何を相続させたいか、自分の意思を残すことができます。
ただし、遺言書は法律で認められた形式で作成しなければ無効になってしまうケースもあるため、注意が必要です。専門家に相談しながら作成することをおすすめします。
また、遺言書と同じく、誰にどんな財産を残すかを自分の意思で決められる相続へのお取り組みとしては、生前贈与もおすすめです。生前に財産を贈与することで、贈与する相手を自分で選べます。
さらに、不動産などの分割しにくい財産を保有している場合は、分割して相続するか、現金化して相続するかなど、事前に検討しておく必要があります。

1-2. 相続税に関する制度の活用

相続へのお取り組みとして欠かせないのが、相続税に関する制度の活用です。相続税は、相続開始時点の正味の遺産から基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。 相続税に関する制度としては、生前贈与の活用や控除制度の活用などがあります。

生前贈与を行う場合、相続税でなく贈与税がかかります。贈与税には、さまざまな非課税特例があるため、ご自身の状況にあった特例を活用しながら生前贈与を行うことができます。

また、相続税には基礎控除をはじめ、配偶者控除相次相続控除など、いくつかの控除制度があります。どのような控除が適用できるのかを事前に把握し、必要な手続きを行うことで、相続税額から一定の金額を差し引くことができます。

さらに、相続へのお取り組みとして、不動産を活用できる可能性もあります。不動産の相続税評価額は一般的に実勢価格より下がる傾向があります。そのため、相続税評価額を引き下げられる可能性があります。
ただし、前述のとおり、現物不動産を購入して相続する場合、複数人の相続人へは分割しづらいというデメリットもありますので、メリット・デメリットをしっかりと把握しながら検討することが大切です。

2. 相続へのお取り組みはいつから始めるべき?

では、相続へのお取り組みは具体的にいつから始めるべきなのでしょうか?

2-1. 相続へのお取り組みの必要性に思い至ったらすぐに始める

会社を定年退職したタイミングや孫が産まれたタイミング、身近な人が亡くなってしまった時など、相続へのお取り組みの必要性に思い至るタイミングは人それぞれ異なります。
どんなタイミングであったとしても、相続へのお取り組みは、その必要性に思い至ったらすぐに始めることをおすすめします。万が一健康を損ねてしまった後では、遺言や相続についての話し合いも難しくなるでしょう。さらに、生前贈与を行ったとしても、相続開始前7年以内の贈与については相続税の対象とみなされてしまい、相続税が課せられてしまいます。
※相続開始前7年以内の贈与について、相続財産に加算されるのは令和6年1月1日以後に贈与した財産になります。
いつ何が起こるかはわからないということも考慮したうえで、相続へのお取り組みは、できるだけ早く始めることが大切です。

2-2. 相続へのお取り組みは相続が発生した後にはできない

相続へのお取り組みは、相続発生後ではできることがほぼありません。
誰にどのような財産をどれくらい残したいというご希望があるのであれば、生前のうちに必ず遺言書を作成しましょう。特に、法定相続人以外の方(子供の配偶者や孫、内縁の妻など)に財産を残したいという場合には、遺言書の作成が重要になります。
もちろん遺言書を作成したからといって、遺産分割で必ず揉めないとは限りませんが、遺言書があることで、故人の遺志をご遺族に伝えることができ、遺産分割でのトラブルを減らすことにつながるでしょう。

2-3. 財産保有者が健康なうちに始める

相続へのお取り組みは、財産保有者が健康なうちに始める必要があります。
なぜなら、財産保有者が認知症になってしまったり、健康を損ねてしまったりした後では、相続へのお取り組みを行うことが難しくなるからです。
特に認知症を患ってしまった後は、判断能力が衰えているとみなされ、遺言書の作成はもちろん、保有する財産の売却や定期預金の解約なども行うことができなくなる恐れがあります。さらに、認知症を患った方が不動産を保有している場合、その不動産の修繕や建替え、売却もできなくなってしまうのです。
これらのことからも、相続へのお取り組みはできるだけ早く、健康なうちに始めたほうがよいことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

2-4. 相続へのお取り組みでは遺産分割に注意

前述のとおり、相続で特にトラブルに発展しやすいのが遺産分割です。特に、相続人となるご家族の人数が多ければ多いほど、遺産分割協議にかかるご家族の負担は大きくなります。もちろん、相続人以外の方に財産を残したいという場合も同様です。

また、どんな財産を残すのかも重要な相続のポイントです。例えば、不動産の相続は、分割がしにくいことから遺産分割で揉めやすい財産のひとつだと言われています。また、よくわからない金融商品や値動きが激しい株などの財産は、受け取った相続人を困らせてしまうことにもなりかねません。
相続へのお取り組みはできるだけ早い時期から始めることをおすすめします。

3. 相続へのお取り組みをできるだけ早めに始めるメリッ

相続へのお取り組みをできるだけ早めに始めるメリットとしては、ここまでご説明したとおり、遺産分割トラブルの予防、誰にどんな財産をどれくらい残すのかを自分の意思で決められることなどがあげられます。
例えば、遺産分割で揉めやすい不動産を保有している場合、生前のうちにできるだけ早めに相続へのお取り組みを検討し、分割しやすい他の財産や金融商品に置き換えることで、遺産分割がスムーズに進む場合があります。

早めの相続準備に有効な金融商品としておすすめなのが、弊社の不動産小口化商品「Vシェア」です。
「Vシェア」は、個人では購入することが難しい都心のプライムエリアにあるオフィスビルを弊社が小口化し、1口100万円単位で5口(500万円)から不動産の小口購入をすることを実現した商品です。資産運用として多くの方にご利用いただいていることはもちろん、1口単位で複数の相続人へ分けて相続することができるため、相続へのお取り組みとしても多くの方にご活用いただいております。

※本コラムに記載された内容は、各種の事例や文献を基に一般論として述べたものです。弊社から当該物件の購入についての税務に関する何らの示唆 および確定的な見解を示すものではなく、本資料に記載された算出方法や評価額など一切について正確性および確実性を保証するものではありません。 具体的な申告書の作成などにあたりましては、税理士などの専門家や所管の税務署などにご相談いただきますようお願いいたします。
※ 分譲マンションの相続税評価額については、「居住用の区分所有財産の評価について(国税庁)」に定められた評価方法が適用されます。
※ 一定期間の保有が条件となります。
※ 評価額は物件により異なります。

不動産小口化商品「Vシェア」:相続税評価額の引き下げ(イメージ)

さらに、都心にあるオフィスビルは、実勢価格と路線価の乖離が大きいことから、相続税評価額を引き下げることができる可能性があります。「Vシェア」は都心プライムエリアの物件なので、相続税評価額を低く抑えることができる場合があります。
「Vシェア」についてより詳しくご覧になられたい方は、下記ページをご参照ください。

4. 相続へのお取り組みを始める前に知っておくべきこと

相続へのお取り組みはできるだけ早く検討を始めること、そして正しい知識を持っておくことが大切です。
そもそも相続税とは、相続財産が相続税の基礎控除額以上の場合に発生する税金です。正味の遺産から以下の計算式で求めた基礎控除額を差し引いた残額に対して、相続税が課せられます。

3,000万円+(法定相続人の数×600万円)=相続税の基礎控除額

相続した財産の課税価格が基礎控除額を下回る場合には、相続税はかかりません。
そのため、相続税の申告手続きも不要です。

ただし、相続財産の大小にかかわらず遺産分割トラブルは起こる可能性があるため、相続財産が基礎控除額以下の場合には、遺産分割をスムーズに行うための相続へのお取り組みを中心に検討を進めるとよいでしょう。
また、相続へのお取り組みとしては、生前贈与や不動産を活用した相続へのお取り組みが有効となる可能性があります。しかし、それぞれにメリット・デメリットがあり、やり方を間違えてしまうと想定したほどの相続へのお取り組みにならなかったという事態に陥る可能性もあるため、相続準備を始める前には、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと把握し、正しい知識を身につけることが重要だと言えます。

5. 最後に

相続準備をいつから始めればよいか検討されている方は、できるだけ早く、相続へのお取り組みの必要性に思い至ったその時からすぐに検討を始めることをおすすめします。
相続のタイミングはいつやってくるか分かりません。相続が始まってからでは遅いため、残されたご家族の負担を減らすためにも、生前のうちにからしっかりと相続へのお取り組みを始めることをおすすめします。

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  • 評価額は物件により異なります。
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  • 相続税の圧縮効果を含めた税務の取り扱いについては、個別具体的な事情に応じて適用が異なる可能性がありますので、税理士等の専門家にご相談ください。
写真:萱谷 有香

監修者

萱谷 有香かやたに ゆか

叶税理士法人 東京事務所代表
税理士・上級相続カウンセラー

プロフィール
掲載記事

大学卒業後は、英会話教材を飛び込み営業により訪問販売しておりましたが、一生働ける仕事をしたいと思い税理士を目指しました。
不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら、沢山の収益物件について税務と投資の面で多くの知識を得られたことを活かし、自分でも不動産投資を始めました。
現在では5棟の物件を保有しつつ、不動産投資家さんの気持ちがわかる税理士になるよう日々勉強し、色々な情報を集めています。
不動産投資専門の叶税理士法人https://tax.kanae-office.com/

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