不動産投資で失敗しないために注意すべきポイントは?【FP執筆】

資産運用 不動産投資

目次

不動産投資は、一般的にはローリスク・ミドルリターンの比較的手堅い資産運用方法と言われています。
ところがその一方で、不動産投資で失敗したという話もよく耳にします。不動産投資では、どのような場合に失敗に陥りやすいのでしょうか。今回は、不動産投資で失敗しないために、事例も交えて、不動産投資を始める前に注意すべきポイントについて解説をします。

1. 「かぼちゃの馬車」問題から学ぶこと

2018年から2019年にかけて多くの報道によって注目されたのが「かぼちゃの馬車」です。
この問題では、東京都内で「かぼちゃの馬車」ブランドと称するシェアハウスを販売した不動産会社が経営破綻し、約700人にもおよぶ不動産オーナーが大きな痛手を受けました。

この投資のしくみは、会社員などが自己資金ほぼゼロで銀行からローンを借りてシェアハウスを購入します。サブリース(一括借上げ)により30年間家賃は保証されるという約束で、家賃からローンの返済額を差引いた手取収入によって資産が築けるという大変魅力的なものでした。
ところが経営に行き詰った不動産会社が突然家賃の支払いをストップしたため、オーナーのローンの返済も滞ってしまいました。その後オーナーが受けた経済的・精神的な損失は計り知れません。

それでは、なぜ「かぼちゃの馬車」に投資した不動産オーナーは失敗してしまったのでしょうか。
理由はシンプルで、不動産投資でやってはいけないとされていることを行ってしまったからです。
具体的には、「入居者に選ばれない物件」を「金利が高いローン」を組んで「割高な価格」で購入したことが原因です。「かぼちゃの馬車」事件では、これらの原因以外に、不正融資など詐欺的な側面もありましたが、投資家も投資する前に、不動産投資の基本を抑えて、十分に注意をしていれば避けることが可能だったとも言えます。

2. 新築ワンルームマンション投資の失敗事例

新築マンションの区分投資でも失敗したという事例をよく耳にします。
区分投資とは、マンションの1室を購入し賃貸収入を得るという投資手法ですが、収益不動産を1棟まるごと購入する場合と比較すると少額で投資できるため、サラリーマンやOLも比較的気軽に始められると言われています。そうは言っても現金で購入するほど安くはなく、一般的には金融機関からローンを借りて始める方がほとんどです。

Aさん(20代会社員)は、ある日不動産会社から新築ワンルームマンション投資を勧誘する電話があり、話を聞くうちにとても魅力的な投資と感じるようになり、3年前に区分所有物件を購入しました。
Aさんが購入した物件は、諸費用を含めて約2,900万円。返済期間35年のローンを借入れたので自己資金はゼロ。毎月の家賃収入は11万円、そこから毎月返済額・管理委託費・修繕積立金・管理費などの合計10.3万円を差引くと手元には約7,000円が残る計画です。
不動産会社からの「自己資金ゼロで投資ができる」「将来年金の足しになる。」「万が一のときも生命保険が付いているので安心」「不動産所得がマイナスになれば所得税が戻ってくる」などのセールストークによって、Aさんはすっかり信用してしまいました。
ところが、実際に賃貸経営を始めてみると、1年ほどで入居者が退室、次の入居が始まるまでの3カ月は毎月10万円以上の持ち出しでした。固定資産税も支払うと、その年は30万円近い赤字となってしまいました。このまま持ち続けると、さらに損失が膨らんでしまうことを心配したAさんは、不動産仲介会社に物件の査定を依頼したところ査定金額は2,500万円。ローンはまだ2,700万円以上残っているため、売却しても200万円以上預金を取り崩さないとローンが完済できません。最終的にAさんは物件を売却しましたが、結果としては大失敗と言えます。

このように、不動産投資も物件の選択や投資手法などを間違えると、毎年のキャッシュフローが赤字に陥ったり、売却しても損失が生じたりするケースがあり得るのです。

3. 他にもある不動産投資の失敗事例と原因

他にも、不動産投資に失敗する事例はいくつもあります。

  • 利回り重視で地方にある中古アパートを買ったが、空室率が高く入居者がなかなか決まらない
  • 利回りの高い中古のRCマンションを購入したところ、たびたび高額の修繕費がかかる
  • 節税目的で投資をしたが、所得税還付があったのは初期費用がかかった1年目だけだった
  • 入居者トラブルや滞納が多く、予定通りの賃貸経営ができない
  • 入居者が入れ替わるたびに家賃が大幅に下がってしまい当初の想定利回りが大きく下がった

このように、不動産投資の失敗にはいくつかの理由が隠されており、それらは大きく分けて3つあります。これから3つの理由について解説をします。

3-1. 物件自体の問題

物件自体の問題とは、投資する収益物件が持つ物理的な条件のことです。
次のような物件は、不動産投資対象としては避けたい物件です。

  • 入居者ニーズが少ない地方の物件
  • 駅から遠く不便な立地の物件
  • 築年数が古すぎて人気のない物件
  • 維持費がかかりすぎる物件

3-2. 賃貸経営計画のミス

たとえ、良質の収益物件を購入しても、経営計画に無理があると失敗につながります。このケースで多いのは、適正な自己資金を投入せずに、事業資金のほとんどを借入する投資手法です。

借入の利用はレバレッジがうまく働けば、少ない自己資金で大きな収益を得られる可能性がありますが、借入が多くなることにより、家賃収入に対する返済比率が高くなってしまうと、空室の増加や金利上昇のリスクに対応できず、赤字に陥る可能性も高くなります。
たとえフルローン、オーバーローンをすすめられても、その分失敗する可能性も上がることを理解して、安心できる経営計画を立てましょう。

3-3. 不動産投資家の知識不足・情報収集不足

投資にはリスクが伴います。リスクをきちんと把握した上で、投資を行うことは大前提です。聞きかじりの知識で投資を行おうとする人がいますが、これは大変危険です。やはり投資に必要な最低限の知識を養ってから、実際の投資をおこなうことが大切です。
特に勉強不足の人の特徴として、セールストークに乗せられやすいということがあります。
そのため、前述の事例にあるようなセールストークに乗せられやすく、結果的に失敗してしまいます。
知識や情報を事前に蓄えることによって、セールストークを鵜呑みにするのではなく、自分の投資スタイルとして適切なものを判断できるようになります。

4. 不動産投資で失敗しないために最も大切なこと

株式投資でも、投資する企業については十分に調べる方がほとんどだと思います。ところが不動産投資に関しては、高額な投資にもかかわらず、十分な調査をせずに決めてしまう人がいます。
ご自身が入居者の視点にたち、本当にその物件に入居したくなるのかをリサーチすることは重要です。たとえば、2つの物件の立地が、駅から同じ徒歩10分でも、商店街を抜ける10分と暗い夜道の10分では安心感が全く異なります。
物件を選ぶ際に、自分の目で確認することは実物不動産投資においては必須と考えましょう。

投資は最終的には投資家の責任です。
そのために最も大切なことは「投資に必要な知識を身につけ、自分で考えること」と言えます。
これから投資に関して多くのことを学んで成功に導いてください。

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写真:橋本 秋人

記事執筆

橋本 秋人はしもと あきと

FPオフィス ノーサイド代表
保有資格:ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、終活アドバイザー(終活アドバイザー協会) 他

プロフィール
掲載記事

ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント
1961年東京都出身。早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。長年、顧客の相続対策や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。現在は、FPオフィス ノーサイド代表としてライフプラン・住宅取得・不動産活用・相続などを中心に相談、セミナー、執筆などを行っている。
FPオフィス ノーサイドhttps://fp-noside.jimdo.com/

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