不動産特定共同事業法とは?基礎知識と2017年改正の概要【FP監修】

資産運用 不動産投資

目次

「不動産特定共同事業法」(通称「不特法」)とは何か、ご存知でしょうか?一般的に、プロの投資家の方々の間で根強い人気を持つ投資対象のひとつが「不動産」です。不動産投資とは、不動産を所有することで賃貸収入などの収益を得る、所有する不動産が値上がりしたタイミングで売却し売却益を得る、ということを目的とした投資のひとつです。プロの投資家だけでなく、一般の会社員や事業経営者そして「これから投資を始めてみたい」という方など投資初心者にも人気の高い不動産投資ですが、運用益や売却益を得やすい優良不動産への投資となると、数千万円を超える高額投資になりがちです。そこで生まれたのが、高額な不動産を小口化投資商品として分割し、複数人の投資家の共同事業として収益を分配する「不動産特定共同事業」と呼ばれる投資手法です。この不動産特定共同事業を発展させるために作られた法律こそ「不動産特定共同事業法(不特法)」なのです。
今回はこの不特法の仕組みやこれまで実施された法改正などについて解説していきたいと思います。

1.不動産特定共同事業法の基礎知識

これから投資を始めたい、不動産投資に興味がある、という方は「不動産特定共同事業法」について理解を深めておくことをおすすめします。まずは「不特法」の基礎知識から解説していきましょう。

1-1. 不動産特定共同事業法とは?

「不動産特定共同事業法」とは、「不動産特定共同事業」が着実に発展しつつ、不動産投資を行う投資家を守ることを目的として1995年4月に施行された法律です。「不動産特定共同事業」は、「宅地建物取引業」の特別な形態であって国土交通大臣などの許可が必要です。事業主が、複数の投資家から出資を受けるなどをして資金を集めて不動産取引(売買・賃貸)を実施し、そこから生まれた収益を投資家に分配する事業のことをいい、不動産投資のスキーム(投資手法)のひとつです。
不特法は1995年の施行以降、不動産特定共同事業のさらなる健全な発展を目指し、2013年、2017年に一部法改正が行われています。

1-2.施行された主な目的

不動産特定共同事業法(不特法)が施行された目的は、不動産特定共同事業の適正な運営と不動産投資家の利益の保護を図ることにあります。不特法が施行される以前(1991年頃)、不動産小口化商品を扱う経営基盤の脆弱な不動産会社の倒産により、この会社の不動産小口化商品に投資をしていた投資家が甚大な損失を被ってしまうという出来事がありました。このような出来事から投資家を守るよう作られた法律が「不動産特定共同事業法(不特法)」です。
不特法により、不動産特定事業を運営するためには国土交通大臣もしくは都道府県知事の許可が必要となる許可制度が設けられ、健全な事業運営ができると認められた事業主だけが不動産特定共同事業を運営できるようになりました。

【参考】不動産特定共同事業法の許可を受けるための主な要件

  1. 資本金(出資額)が各事業者に必要な金額を満たしていること
    ・第1号事業者:1億円
    不動産特定共同事業契約を締結し、契約に基づいて運営される不動産取引から得られる利益等の分配を行う事業者
    ・第2号事業者:1,000万円
    不動産特定共同事業契約締結の代理もしくは媒介をする事業者
    ・第3号事業者:5,000万円
    特例事業者の委託を受け、不動産特定共同事業契約に基づいて運営される不動産取引に 係る業務を行う事業者
    ・第4号事業者:1,000万円
    特例事業者が当事者となる不動産特定共同事業契約締結の代理・媒介をする事業者
  2. 経営状況が許可申請の日を含む事業年度以降も良好に推移することが見込まれること
  3. 事務所ごとに「業務管理者」を配置していること
    業務管理者とは宅地建物取引主任者であり、「不動産特定共同事業の業務において3年以上の実務経験を有する者」「不動産コンサルティング技能登録者」「ビル経営管理士」「不動産証券化協会認定マスター」のいずれかに該当する者のことを指します。

2. 不動産特定共同事業法に関する2017年の改正内容

不動産特定共同事業法は不動産特定共同事業の発展にともない、より健全にかつ不動産投資家を不利益から守るべく刷新が図られてきました。「不動産小口商品」など不動産投資対象として日々変化し、発展を続けている不動産特定共同事業に沿うように、2017年に不動産特定共同事業法の一部を改正する法律が施行されています。

それでは2017年に改正された法律のポイントについて解説していきます。

2-1. 空き家・空き店舗等の再生について、不動産特定共同事業の活用の一層促進

  1. 小規模不動産特定共同事業の創設
    不動産特定共同事業には許可制度が設けられており、資本金や出資金の規模、事業主に課される厳しい義務などの理由により、一部の事業主にしか運営することのできない事業になっていました。この点について、不動産投資家の保護を図りながらも大幅に緩和する動きとして生まれたものが「小規模不動産特定共同事業」です。小規模不動産特定共同事業が創設されたことにより、資本金や出資金などの要件が緩和され、許可制度ではなく登録更新制度(5年)に変更となり、地方の中小規模の事業者が空き家・空き店舗の再生・活用事業として参入できるようになりました。
  2. クラウドファンディングに対応した環境整備
    近年、様々な分野において資金調達の新しい手法として注目されているのがクラウドファンディングです。このクラウドファンディングを活用し、全国で増加している空き家や空き店舗を再生し、新たな観光資源などに生まれ変わらせる取り組みが活発に行われています。この動きに適応するためにクラウドファンディングに対応した環境整備が法改正の中に盛り込まれました。

主たるものとしては、

  • インターネットを通じて資金を集める仕組みを扱う事業者について、必要な業務管理体制に関する規定を整備
  • 投資家に交付する契約締結前の書面など、インターネット上での手続きに関する規定を整備

2-2.良質な不動産ストックの形成を推進するための規制の見直し

  1. プロ投資家向け事業の規制の見直し
  2. ・プロの投資家向け事業における約款規制の廃止
    ・機関投資家などのスーパープロ投資家のみを事業参加者とする場合の特例等の創設
    (適格特例投資家事業の創設)

    などが見直され、さらなる成長が見込まれる分野において良質な不動産ストックを形成し、都市の力の向上を図ることが目的となっています。

  3. 特別目的会社を活用した事業における事業参加者範囲の拡大
    また、法改正には特別目的会社(SPC)を活用した事業における事業参加者の範囲拡大も盛り込まれており、投資リスクが小さな事業への事業参加者の範囲が一般投資家まで拡大されました。法改正には、都市部だけではなく、地方においても増加傾向にある空き家や空き店舗を再生することで良質な不動産ストックへと生まれ変わらせやすくする目的も含まれています。
  4. 以上が、不動産特定共同事業法の基礎知識と2017年改正の概要となります。
    聞きなれない言葉や難しい表現ばかりでしたが、投資家(自身)を守るためにも不動産投資を始める前には、法律(ルール)や仕組みを理解しておきましょう。

3.不動産特定共同事業法に則った小口化商品「Vシェア」

ここまで不動産特定共同事業法の大前提となる基礎知識を解説してきました。それでは具体的に不動産特定共同事業に則った弊社の小口化商品を例にご紹介していきます。

3-1. 「Vシェア」とは

弊社の「Vシェア」とは、個人ではなかなか購入することが難しい都心エリアの商業地にある優良オフィスビルを弊社が小口化し、1口100万円単位で5口(500万円)から不動産の小口購入ができるように設計された商品です。資産運用として多くの方にご利用いただいていることはもちろん、1口単位で所有者を調整することができるため、生前相続(生前贈与)や相続対策としてもご活用いただける特徴を持っています。

3-2. 不動産特定共同事業法に準拠した投資対象をお探しなら

投資の歴史を見てみますと、投資をすすめる者と投資家との間にある情報格差を巧みに操り、投資家の不利益となってしまうような事例が多数存在していたことは事実です。しかし一方で、不動産特定共同事業法の施行を筆頭に、投資家の保護を第一の目的としながら投資事業・投資産業の健全な発展が実現していることも事実なのです。
不動産特定共同事業法に準拠し、事業者として監督官庁からの許可も得ている弊社の「Vシェア」も、当然のことながらお客様にメリットを得ていただきたく開発された商品です。不動産特定共同事業について、「Vシェア」についてさらに詳細を知りたいという方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

  • 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。
写真:吉田 美子

監修者

吉田 美子よしだ よしこ

Plus-プリュス- 代表
NPO法人JCPFP 理事
FPアソシエイツ&ファイナンシャルサービシズ株式会社 大阪支店長

プロフィール
掲載記事

日本では数少ない独立系FPとして、資産運用、相続、不動産、保険、リタイアメントプランなど年間延べ450組超のコンサルティングを実施。
キャッシュフローによる人生の可視化と正しい知識を身に付けることの重要性を女性FPの視点からお伝えしている。
Plus−プリュス−https://www.fp-plus.net/

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