生前贈与に必要な書類はどれ?贈与税の申告や不動産の名義変更に必要な書類【税理士監修】

相続・贈与 生前贈与

目次

生前贈与の手続きには様々な書類が必要です。贈与税の申告手続きひとつを取ってみても、どのような申告書を使えばよいのか、添付書類としてどんな書類の提出が必要かなど、複雑な書類が多くてよくわからない…という方も少なくないかと思います。ここでは、生前贈与の手続きに必要な書類について分かりやすく解説してきます。

1. 贈与税申告に必要な書類は?生前贈与を受けたら贈与税を申告しよう

まずは生前贈与を受けた後に行う贈与税申告に必要な書類についてご説明します。

贈与税申告とは、財産を譲り受けた人(受贈者)が行うべき手続きです。但し、暦年贈与を適用し、贈与の額が年間110万円以下の基礎控除範囲内であった場合には贈与税申告は不要とされています。つまり、贈与申告をしなければならないのは、「暦年贈与で受け取った財産の合計が年間110万円を超えた人」と「相続時精算課税制度を選択した人」ということになります。

また、暦年贈与に加えて、贈与税を非課税にしたり減額したりできる様々な特例が存在しています。特例を適用した場合に必要な書類についてもあわせてご説明していきましょう。

「暦年贈与」や贈与税が非課税になる特例についてはこちらをご覧ください。

1-1.贈与税申告書・マイナンバー

贈与税申告において必ず必要な書類は、贈与税申告書とマイナンバーです。

まず贈与税申告書には、「第一表」「第一表の二」「第二表」と主に3つの種類があります。「第一表」は、贈与税の申告をする人は全員提出が必要な書類です。「第一表の二」と「第二表」については、申告の内容によって提出が必要になります。

贈与税申告書の種類 提出が必要な人
第一表
(兼贈与税の額の計算明細書)
贈与税を申告する人全員
第一表の二
(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)
住宅取得等資金の非課税の適用を受ける人
第二表
(相続時精算課税の計算明細書)
相続時精算課税の適用を受ける人

例えば、暦年贈与のみを申告するという場合、必要な贈与税申告書は「第一表」のみです。相続時精算課税のみを申告する場合は「第一表」と「第二表」、暦年贈与と相続時精算課税の両方を申告する場合は「第一表」と「第二表」、住宅取得等資金の非課税と暦年贈与を申告する場合は「第一表」と「第一表の二」、住宅取得等資金の非課税と相続時精算課税を申告する場合は「第一表」と「第一表の二」と「第二表」となります。

申告の内容 使用する申告書
暦年贈与のみ 第一表
相続時精算課税のみ 第一表、第二表
暦年贈与と相続時精算課税の両方 第一表、第二表
住宅取得等資金の非課税と暦年贈与 第一表、第一表の二
住宅取得等資金の非課税と相続時精算課税 第一表、第一表の二、第二表

※贈与税申告書は国税庁のホームページから作成することができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/souzoku.htm

また、贈与税の申告にはマイナンバーが必要です。マイナンバーカードがあれば、その写し(両面)1枚で本人確認書類として認められますが、マイナンバーカードを作っていないという方は、マイナンバー通知カード+運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を組み合わせて提出しなければならないため、それぞれの写しが必要となります。

1-2.相続時精算課税制度を利用した生前贈与に必要な書類

生前贈与で相続時精算課税制度を利用する場合、贈与税申告書以外に次の書類が必要です。

① 相続時精算課税選択届出書

② 受贈者の戸籍の謄本又は抄本など

「受贈者の氏名、生年月日」、「受贈者が贈与者の推定相続人又は孫であること」を証明する書類

③ 受贈者の戸籍の附票の写しなど

「受贈者が20歳に達した時以後の住所または居所」を証明する書類(受贈者の平成15年1月1日以後の住所または居所を証明する書類も可)

④ 贈与者の住民票の写しなど

「贈与者の氏名、生年月日」、「贈与者が60歳に達した時以後の住所または居所」を証明する書類(贈与者の平成15年1月1日以後の住所または居所を証明する書類も可)

相続時精算課税制度は、原則60歳以上の父母または祖父母が、20歳以上の子または孫に対して贈与をする場合に限り適用を受けることができます。そのため、受贈者と贈与者の関係を証明する書類や、それぞれの住所または居所を証明する証明する書類の提出が必要なのです。

1-3.配偶者控除を利用した生前贈与に必要な書類

生前贈与で贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、贈与税申告書以外に次の書類が必要です。

① 受贈者の戸籍謄本又は抄本

(居住用不動産等の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの)

② 受贈者の戸籍の附票の写し

(居住用不動産等の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの)

③ 登記事項証明書など

登記事項証明書など
「受贈者が控除の対象となった居住用不動産を取得したこと」を証明する書類

1-4.住宅取得資金として生前贈与を受けた場合に必要な書類

生前贈与で住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合、贈与税申告書以外に次の書類が必要です。

① 受贈者の戸籍謄本など

「受贈者の氏名、生年月日」「贈与者が受贈者の直系尊属に該当すること」を証明する書類

② 源泉徴収票など贈与を受けた年の所得税に係る合計所得金額が分かる書類

ただし、納税申告書以外に「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」を提出した場合は不要

③ 新築に係る工事の請負契約書の写しや売買契約書の写し

④ 新築又は取得した住宅用家屋に関する登記事項証明書

⑤ そのほか住宅の状況に応じて必要な書類

(住宅性能証明書、耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写しなど)

※詳しくは、国税庁のホームページをご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm

2.不動産の生前贈与、登記で必要な書類とは?

不動産を生前贈与する場合、贈与税の申告だけでなく、贈与する不動産の名義変更手続き(所有権移転登記)が必要となります。所有権移転登記に必要な書類は次のとおりです。

① 登記申請書

登記申請書の様式及び記載例は、法務局のHP から取得が可能です。

② 贈与契約書の原本

贈与による所有権移転登記の場合、必ず贈与契約書の原本が必要です。贈与契約書の作成方法や詳細は、こちらをご覧ください。(「生前贈与 契約書」に誘導)

③ 不動産の登記済証(または登記識別情報)

贈与する不動産の「登録済証」または「登記識別情報」は、贈与者が贈与する不動産を取得したときに交付されています。原本が必要です。

④ 贈与者の印鑑証明書(3カ月以内のもの)

贈与者の印鑑証明書を提出する際は、印鑑証明書に記載されている住所が、贈与する不動産の登記事項証明書に記載されている住所と一致していることを確認しましょう。もし住所が変わっている場合は、所有権移転登記の前に「登記名義人表示変更登記」の手続きが必要になります。

⑤ 受贈者の住民票の写し

受贈者の住民票に記載されている住所が、所有権移転登記完了後、新しい不動産名義人の住所になります。

⑥ 固定資産税評価証明書

固定資産税評価証明書は、贈与する不動産を管轄する役所や都税事務所で取得できます。

⑦ 委任状(代理人が申請する場合)

登記手続きを司法書士などの代理人に依頼する場合は、委任状が必要です。

生前贈与する不動産の名義変更手続き(所有権移転登記)が完了したら30日以内に、不動産を管轄する役所や都税事務所に不動産取得税の申告書を提出します。都道府県によっては、不動産取得税申告書を提出しなくても、登記手続き時に提出した書類等から自動的に納税通知書が送られてくるケースもありますので確認しておきましょう。

3.最後に

生前贈与に必要な書類について解説してきました。生前贈与の手続きは自分で行うこともできますが、書類の作成や手続きに不安がある場合は、管轄の税務署や法務局に直接行き、無料相談をすることも可能です(事前予約が必要な場合あり)。また、戸籍謄本や住民票など、ご自身で用意すべき書類をそろえたうえで、登記や贈与税申告の手続きについては、司法書士や税理士といった専門家に依頼するという方法もあります。

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税務の取扱に関する監修

マックス総合税理士法人マックスソウゴウゼイリシホウジン

プロフィール
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渋谷本社、自由が丘オフィスを拠点に、東京都心及び、城南地区の地主や資産家に対し、『民事信託も活用した相続・相続対策、不動産の売買や贈与時の節税』といった資産税コンサルティングを手がける。
毎週末、不動産に関する税務相談会も行っており、ただの税務理論だけでなく、不動産の現場にも精通する知識と経験を備えている。
マックス総合税理士法人http://www.max-gtax.com/

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