⼈気記事ランキング

ピックアップ記事

記事を月で絞り込む

不動産投資による節税は嘘?節税の仕組みや失敗しないためのポイントを解説【税理士監修】

不動産投資 不動産を活用した相続対策

不動産を活用した相続対策

税務の取扱に関する監修

マックス総合税理士法人

目次

  • なぜ不動産投資で節税になるの?
  • 不動産投資はどんな仕組みになっているの?
  • 不動産投資は実際のところどうなのか知りたい!

「不動産投資は節税になりますよ」と業者にいわれて不動産投資を始める人は多いです。

ですが注意しなければならないのが、実際に不動産投資を始めてみると思ったような節税効果が得られないケースがあることです。

もし節税目的で不動産投資を考えているのであれば、「なぜ不動産投資で節税ができるのか?」という本当の理由を知っておくことが大切です。

この記事では、下記のポイントを紹介していきます。

  • なぜ不動産投資で節税ができるのか?という仕組み
  • 「節税にならない」といわれている不動産投資の正体

不動産投資でしっかりと節税できるように、本当に自分に合っているのかきちんと見極めることが重要です。

それでは、まずは不動産投資で節税できる仕組みについて見ていきましょう。

1. 不動産投資による節税の仕組みをわかりやすく解説

もちろん、不動産投資を始めただけで、節税ができるわけではありません。

「不動産投資が節税になる」といわれる理由は、不動産投資によって、不動産所得がマイナスになった場合、他の給与所得や事業所得と損益通算することができ、結果所得税・住民税の税額を減額することができるからです。

まずは実際にどんな税金を節税できるのか、どうすれば節税につながるのかをまとめました。

期待する節税効果をしっかりと得るために、不動産投資で節税できる仕組みを理解しておきましょう。

1-1. 所得税・住民税を節税できる

不動産所得のマイナスは給与所得などと損益通算できるため、不動産所得がマイナスの分だけ給与から源泉徴収された所得税を還付してもらうことができます。

例えば、会社員としての給与所得のみで課税総所得金額が900万円の場合、所得税の税額は以下のようになります。

9,000,000円×33%-1,536,000円=1,434,000円

仮に不動産所得が▲100万円の場合、損益通算をして課税総所得金額は800万円になるので所得税の税額は以下のようになります。

8,000,000円×23%-636,000円=1,204,000円

住民税の標準税率は10%のため、課税総所得金額によって下記のように変わります。

9,000,000円×10%=900,000円
8,000,000円×10%=800,000円

  • 所得税と住民税は所得控除に差異があるため、厳密には課税総所得金額は多少異なります。

このように不動産所得のマイナスによって生じた差分を還付してもらうことで、所得税・住民税が節税できると言われています。

出典:No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

なお、不動産投資といっても、不動産特定共同事業など組合事業による不動産所得の場合は注意が必要です。

個人の方の場合、不動産所得の損失は給与所得などの他の所得と損益通算が可能ですが、組合事業から生じた不動産所得の損失の金額については無かったものとみなされ、他の所得と損益通算ができないこととなっています。
不動産特定共同事業に基づく損益を分配する事業は組合事業に含まれます。
つまり、事業参加者様の受ける損益の分配は不動産所得として取り扱われますが、この組合事業で生じた損失の額は、事業参加者様の他の所得との損益通算はできないのです。

そもそもどうして不動産所得がマイナスになるのか

不動産投資では下記のような経費が、必要経費として認められています。

  • 固定資産税
  • 損害保険料
  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 借入利息

出典:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁

これらの必要経費が不動産収入を上回ることで、不動産所得がマイナスとなるケースがあるのです。
さらに不動産を購入した初年度には、下記のような諸経費がかかるので特に不動産所得がマイナスになりやすくなります。

  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 司法書士費用
  • 印紙税

など

これらの諸経費を初年度に計上するので、不動産所得がマイナスになりやすいのです。

経費の中でも重要なポイントは「減価償却費」

減価償却とは、築年数の経過により経年劣化等で価値が低下していく「建物」などの固定資産について、建物の法定耐用年数に基づき、価値が下がった分の損失をその期間で分割し、経費計上することをいいます。
減価償却できる不動産は「建物のみ」となります。土地は建物のような経年劣化がないため、減価償却はできません。

例えば、5,000万円の建物価値がある不動産を購入した場合、一度に5,000万円を経費として計上するわけではありません。定められた年数で割ることで、5,000万円を分割して何年かに渡って、経費計上することができるのです。
耐用年数が5年であれば、毎年1,000万円ずつ経費として計上できます。

実際にお金は出ていないけれど、会計上は経費として計上できるのが「減価償却費」であり、節税できる大きなポイントです。

日本の不動産では建物よりも土地が高く評価される傾向があります。特に築年数がある程度経過していると建物価値が低くなりがちです。一方でアメリカなどの海外では、築年数に関わらず土地価値よりも建物価値のほうが、評価が高いのが一般的です。

そのため、建物比率の高い海外の不動産では、減価償却費は高くなり、不動産所得をマイナスにしやすく損益通算をすることで節税をすることができていました。

ただし、令和3年分以後の海外中古不動産の減価償却費(簡便法などにより計算)による損失は損益通算不可になりますので注意が必要です。

また、不動産所得の金額の計算でマイナスになった場合であっても、必要経費に算入した土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は損益通算ができないと定められています。
借入金利子の全てが損益通算できるわけではないので、注意が必要です。

出典:No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算|国税庁

1-2. 「法人化」による節税

節税対策は不動産所得を減らすだけではありません。個人にかかる税率と法人にかかる税率の違いによって節税をすることもできます。

つまり、合同会社や株式会社を設立して不動産投資を行っていくことで節税をするのです。

例えば個人の所得の場合、課税所得が900万円以上を超えると所得税と住民税の合計税率は43%になります。課税所得が1,800万円を超える以上でとさらに税率は上がっていきます。

一方で資本金1億円以下の法人の税率は、800万円を超えると約33%です。

この差額が節税効果として変わってくるというわけです。

さらに法人の場合は役員報酬も経費として計上できるので、家族に役員として働いてもらうことでさらなる節税が見込めます。このように個人よりも法人のほうが、経費として計上できる幅が広くなるのです。

1-3. 相続税・贈与税を節税できる

所得税・住民税に対する不動産投資による節税効果は、検討はできなくもないですが、恩恵を受けられるケースはかなり限定的とも言えます。
しかし不動産投資では、相続税・贈与税の節税効果も期待できるので、ぜひその仕組みを理解しておきましょう。

「贈与税」は個人が財産をもらったときにかかってくる税金、「相続税」は亡くなった方から、財産を引き継いだときにかかる税金です。

「時価」と「相続税評価額」の差による節税

相続や贈与における不動産の相続税評価額は「路線価」や「固定資産税評価額」などをもとに評価されます。都市部ではその相続税評価額は市場価格より低くなる傾向(7割前後)が多く、現預金やその他の金融商品を相続するよりも、相続税や贈与税の節税メリットが高いのです。

例えば、5,000万円を現金で相続・贈与する場合、その相続税評価額は5,000万円になります。

一方、同じ5,000万円で購入した不動産を相続・贈与した場合、相続税評価額が7割に圧縮されたと仮定すると3,500万円の評価額に対し相続税・贈与税の計算を行うことになります。

つまり1,500万円の評価減となりそれに対する支払う税金は3,500万円から控除額を差し引いた金額に対して税率がかかるため、大幅に節税ができるということになるのです。

不動産に置き換えることで、評価額が引き下げられる

2. なぜ「不動産投資は節税にならない、節税は嘘」といわれるのか?

「不動産投資の節税は嘘」といわれるのには、「不動産の選び方」「不動産投資に不向きな所得」という理由があります。
なぜ「節税は嘘」といわれているのか、それぞれの理由について詳しく紹介していきます。

2-1. 新築ワンルームマンション投資のことを指している

不動産投資で大きく節税ができるのは、「減価償却費」によって所得税や住民税の課税総所得金額を減らすことができるためです。

たとえば、法定耐用年数47年の鉄筋コンクリート造の新築ワンルームマンションを3,000万円(うち建物2,000万円)で投資ローンを組んで購入したとします。

建物価格2,000万円を47年で減価償却するので毎年44万円を経費として計上することになります。

家賃収入が月10万円だとすると、1年で120万円の不動産収入です。そこから減価償却費を引くと120万円-44万円=76万円の不動産所得となります。もちろんほかの経費も引かれますが、新築なので修繕費などの大きな経費はかからないはずです。

つまり新築ワンルームマンションでは、減価償却費の経費も高くないので大きな節税効果が期待できないのです。

2-2. 節税に向いていないサラリーマンのことをいっている

不動産投資で節税するのに向いているのは、年収が高いサラリーマンになります。なぜなら年収が高いサラリーマンは、所得税や住民税の納税額が高額だからです。

例えば、課税所得1,800万円以上では50%(住民税10%含む、以下同)と高い税率が設定されています。
一方で課税所得が900万円以上1,800万円未満であれば、税率は43%へさがりますし、695万円以上900万円未満であれば33%まで税率を下げることができます。

不動産投資による節税では、減価償却費を経費に計上することで赤字を作り、課税所得を減らすことが一般的です。

ですが、そもそもの課税対象額と税率が低いケースでは大きな節税効果を作り出すことができません。年収が高い方が、課税対象額と税率が大きいので不動産投資による節税効果が高いということになります。

3. 不動産投資で失敗しないための重要なポイントとは?

節税のために不動産投資を始めたのに、失敗してしまったという方も多くいます。

当然ですが不動産投資の本来の目的は節税ではありません。資産を増やすためです。
とはいえ、無駄に税金が発生しても投資効率として良い結果とはなりませんので、失敗しないためにも、以下のポイントに注意しましょう。

  • 青色申告をする
  • 減価償却を意識する
  • 損益通算を意識する
  • 金利や物価変動リスクを織り込む
  • 物件の立地を意識する
  • 無理な金額の借り入れをしない
  • 所得税・住民税の節税だけを目的とした不動産投資には注意する

3-1. 節税目的での不動産投資は注意が必要

そもそも節税目的の不動産投資は注意が必要です。不動産投資の目的は本来、利益を生み、財産を増やすために行うものです。

そのため、節税だけを目的に不動産投資を始めてしまうと、実際思っていたほど節税にならなかった、当初の税制から変更になってしまった…など、上手くいかないケースもでてきます。

特に売却時には注意が必要で、投資用不動産の売却価格が減価償却で下がった本来の資産価値を上回る金額で売れた場合、その譲渡所得に対して税金を納めなければなりません。

そのため物件選びの段階から注意をしておかなければ、節税どころか大きな損失や負債を抱えてしまう可能性もあります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

3-2. 実物の不動産投資以外でも節税効果を得る方法はある?

不動産投資で節税というと、実際に何千万円もする物件を購入するというイメージがありますが、少額から始められる不動産投資の方法があるのをご存知でしょうか。それが不動産小口化商品です。
不動産小口化商品とは、特定の不動産を1口100万円程度に小口化して販売し、不動産の賃料収入や売却益を投資額に応じて出資者に分配する仕組みです。

この不動産小口化商品を活用することで節税につながるのは「相続税・贈与税」です。

任意組合型の不動産小口化商品は現物不動産と同様の取扱いとなるため、相続財産の評価額が引き下がることで、相続税・贈与税の負担軽減につながります。
また、現物不動産と違って分割しやすいため、複数の相続人がいる場合でも相続トラブルを回避できるというメリットもあります。

弊社の「Vシェア」は、需給バランスがタイトな都心プライムエリアの物件を小口化し、1口100万円単位で5口(500万円)から不動産を小口購入することを実現した商品です。
「Vシェア」は任意組合型の不動産小口化商品のため、実物不動産と同様に相続税評価額を下げることができ相続税評価額が約8割近く下がる物件もあります。

Vシェアにより相続税評価額を約80%引き下げる節税効果が見込める

「Vシェア」の運用により得ることができる利益は「毎月の賃料収入の分配」と「一定期間運用後の売却代金の分配」です。
もちろん、購入したオフィスビルなどの管理・運用は弊社が責任を持って行いますので、不動産の維持管理のために何かをしなければいけないという手間は発生しません。日々の値動きを気にする必要がないため、忙しいサラリーマンの副業としてもおすすめです。

「Vシェア」について、より詳しく知りたいという方は、下記ページをご参照ください。

4. まとめ

「不動産投資での節税は嘘」といわれることもあります。しかし、実際には年収や目的によって、本当に節税になる人と、節税にならない人がいます。
不動産投資による節税の仕組みを知っておくことで、自分にはどんな不動産投資のプランが最適なのか分かります。
まずはその仕組みを充分に理解して、自分に合った方法を検討しましょう。

  • 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。
  • 期待どおりの税務上の効果が得られない可能性があります。
  • 評価額は物件により異なります。
  • 税制改正、その他税務的取り扱いの変更により効果が変動する場合があります。
  • 相続税の圧縮効果を含めた税務の取り扱いについては、個別具体的な事情に応じて適用が異なる可能性がありますので、税理士等の専門家にご相談ください。

税務の取扱に関する監修

マックス総合税理士法人マックスソウゴウゼイリシホウジン

プロフィール
掲載記事

渋谷本社、自由が丘オフィスを拠点に、東京都心及び、城南地区の地主や資産家に対し、『民事信託も活用した相続・相続対策、不動産の売買や贈与時の節税』といった資産税コンサルティングを手がける。
毎週末、不動産に関する税務相談会も行っており、ただの税務理論だけでなく、不動産の現場にも精通する知識と経験を備えている。
マックス総合税理士法人http://www.max-gtax.com/

相続対策の基本 - 生前にできる対策方法とは【税理士監修】
不動産の相続登記(名義変更)のやり方、必要書類や費用【税理士監修】
不動産投資による節税は嘘?節税の仕組みや失敗しないためのポイントを解説【税理士監修】
投資信託の相続はどうすればいい?手続きの流れや注意点【税理士監修】
掲載記事一覧

不動産投資の記事一覧に戻る