不動産投資ファンドとは?種類や仕組み、メリット・デメリットを解説【FP監修】

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目次

今ある資産やお金を運用して、将来に備えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。資産を運用する方法のひとつとして、不動産投資ファンドがあります。この記事では、不動産投資ファンドとは何か、不動産投資ファンドの種類や仕組み、メリット・デメリットについて解説します。

1. 不動産投資ファンドとは

不動産投資ファンドとは、複数の投資家から資金を集めて不動産投資を行い、その運用によって得た収益を投資家の投資額に応じて分配するファンドのことをいいます。
一般的に、不動産投資というと高額の資金が必要となり、個人で不動産投資を始めるのは難しいのではと考える方も多いと思います。しかし、複数の投資家から小口の資金を集めて運用する不動産投資ファンドであれば、高額の資金を用意するのが難しい個人投資家でも、少額の資金から始めることが可能です。
不動産投資ファンドには、不動産投資信託(REIT)と不動産特定共同事業に基づくファンドの2つの種類があります。

2. 不動産投資ファンドの種類と仕組み

少額の資金での不動産投資に関心があり、不動産投資ファンドを始めたいと思っていても、不動産投資信託(REIT)と不動産特定共同事業に基づくファンド、どちらを選んだらよいかわからないという方も多いかと思います。
まずは、不動産投資信託(REIT)と不動産特定共同事業に基づくファンドの違いと仕組みについて、しっかりと把握しておきましょう。

2-1. 不動産投資信託(REIT)

不動産投資信託(REIT)の仕組みとは、不動産投資法人が投資家から集めた出資金で複数の収益不動産を取得・運用し、賃料収入や売却益を投資家に分配するというものです。不動産投資法人が投資証券を発行する「J-REIT」は、株式投資と同じように、個人でも気軽に証券取引所で売買できる金融商品として、不動産投資の初心者でも始めやすく人気があります。

投資信託の種類には、不特定多数の方を対象に募集を行う「公募ファンド」と、限られた投資家から資金を集めて運用を行う「私募ファンド」があります。
公募ファンドは、証券会社や銀行などで、誰でも投資証券を購入することができます。J-REITは公募ファンドのひとつです。
私募ファンドは、プライベートファンドとも呼ばれているもので、通常は募集対象が50人未満のものをいいます。募集の対象を適格機関投資家に限定した「プロ私募」もあります。
個人投資家が気軽に始めることができるのは、公募ファンドであるJ-REITです。

2-2. 不動産特定共同事業に基づくファンド

不動産特定共同事業の仕組みとは、特定の不動産を一口数万円から100万円程度に小口化して複数の投資家に販売し、不動産の賃料収入や売却益を投資額に応じて出資者に分配するというものです。
現物不動産を購入して運用する不動産投資の場合、不動産の購入に多額の資金が必要になるため、個人投資家にとっては始めにくい投資方法といえます。
しかし、不動産を小口化して販売する不動産特定共同事業では、複数の投資家が出資して1つの不動産を購入するため、少額の資金でも不動産投資を行うことができます。不動産特定共同事業法に基づき、任意組合や匿名組合を作って不動産の取得や管理を行いますので、投資家にとってはリスク軽減につながるというメリットもあります。

不動産特定共同事業に基づくファンドで代表的なものは、不動産小口化商品です。不動産小口化商品には、「任意組合型」、「匿名組合型」、「賃貸借型」があります。
また、不動産小口化商品のほかには、インターネットで投資家を募る不動産投資型クラウドファンディングがあります。本記事では、不動産小口化商品を中心に解説をします。

REITは、投資証券を購入して運用を行いますが、任意組合型の不動産小口化商品の場合は、投資家が実際の不動産の一部を購入する形になるため、不動産の所有権が発生します。少額の資金で不動産オーナーになれるという点が、匿名組合型の不動産小口化商品やREITとの大きな違いです。

3. 不動産投資ファンドの種類別比較!メリット・デメリットは?

不動産投資ファンドは、少額の資金で不動産投資を始められるというメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。そこで、不動産投資ファンドの種類別に、それぞれのメリットやデメリットを紹介します。

3-1. 投資金額で比較した場合

REITや不動産小口化商品は、いずれも少額の資金で不動産投資を始めることができます。
REITの場合は、現物不動産ではなく投資証券を購入します。個別銘柄を購入する場合、1万円台から数十万円から購入することができます。一方、不動産小口化商品は、特定の不動産を一口数万円から100万円程度の資金で購入することが可能です。
少額でも不動産を対象とした投資をしたいという方には、不動産投資ファンドは始めやすい投資商品と言えます。

3-2. 価格変動で比較した場合

REITは、証券市場における需要と供給のバランスによって、価格が変動しやすいというリスクがあります。
一方の不動産小口化商品は、投資先不動産の運用成績がそのまま分配金や売却益に直結することになります。不動産投資のプロが選んだ物件の中から、実際の現物不動産を自分で選び、将来性の高い物件に投資をすることがポイントです。

3-3. 流動性で比較した場合

一般的に、不動産投資は流動性が低く、長期投資向きと言えます。しかし、REITは、証券会社などを利用して自由に投資証券の売買ができるため、流動性が高い金融商品だといえるでしょう。
一方、不動産小口化商品は、運用期間が10年程度など、長期運用での安定収益を目的とする商品が多いのが特徴です。

3-4. 節税効果で比較した場合

REITは有価証券のため、相続時や贈与時の節税効果を見込むことができません。
一方、任意組合型の不動産小口化商品を相続または贈与する場合、現物不動産と同じように「路線価」と「固定資産税評価額」をもとに課税評価額を計算します。都心の土地の路線価は一般的に時価の7~8割程度、建物の固定資産税評価額は時価の7割程度です。また、土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」として評価できるので、更に評価額が下がります。つまり、都心にある不動産小口化商品であれば、実勢価格よりも低い評価額で相続税や贈与税が計算されることになり、節税効果が期待できます。
ただし、不動産小口化商品のなかでも匿名組合型の場合、任意組合型のような節税効果は見込めません。

4. 不動産投資ファンドの始め方

不動産投資ファンドを始める場合、REITと不動産特定共同事業に基づくファンドでは始め方が異なります。それぞれの始め方について紹介します。

4-1. REITの場合

REITの始め方は以下のとおりです。

  1. 不動産投資信託を購入する証券会社に口座を開設
    証券会社で開設できる口座は、「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」から選択することできます。口座開設時に「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しておくと、確定申告をする手間を省くことができます。
  2. 証券会社の口座に入金し希望する銘柄を選んで購入
    購入は、パソコンなどを利用して証券会社の注文画面から行います。売却する場合も、売却画面から行うことができます。

REITの売買には別途規定の手数料がかかります。利用する証券会社によって手数料が異なりますので、証券会社を選ぶときは手数料の確認をしておくことをおすすめします。

4-2. 不動産特定共同事業に基づくファンドの場合

不動産特定共同事業に基づくファンドは、不動産クラウドファンディングと不動産小口化商品で始め方が異なります。

不動産クラウドファンディングの始め方

不動産クラウドファンディングの始め方は、以下のとおりです。

  1. プラットフォームを選ぶ
    まずは、不動産特定共同事業者のプラットフォームを選びます。お問合せフォームや資料請求ができるように準備されているところが多いので、気になる業者を見つけたらまずは問合せや資料請求を行うとよいでしょう。
  2. 投資する案件を選び、申込み
    プラットフォームが決まったら、投資する案件を選び、申し込みをします。ただし、実際に募集されていても人気の高い案件の場合は完売してしまう可能性があるため、必ずしも希望の案件が購入できるとは限りません。
  3. 申込完了後、案内に従って入金
    入金が完了した時点で購入完了となります。

不動産小口化商品の始め方

不動産小口化商品の始め方については、弊社の不動産小口化商品「Vシェア」(任意組合型・現物出資)での流れを例にご説明します。

  1. 投資対象物件を決める
    プロが選んだ物件のなかから、将来性の高い物件をご自身の目利きで選ぶことができます。
  2. 出資申込
    出資の申込みをする際は、出資申込書とあわせて身分証明書の写しが必要です。
  3. 契約締結
    契約当日は、住民票(法人の場合は登記簿謄本)や印鑑証明、実印など、準備が必要な持ち物があります。事前によく確認しましょう。
  4. 出資金の振込み
    出資金と合わせて司法書士手数料等の振込も行います。
  5. 登記事項証明書・出資証書の受領
    書類を受け取ったら完了です。

不動産特定共同事業(不動産小口化商品)は中途解約ができない商品がありますので、投資したい案件を選ぶ際は、運営期間や中途解約(途中で売却する)が可能な商品かなどを確認したうえで、申し込みを行うようにしましょう。

5. 不動産投資ファンドを始める際の注意点

初めて不動産投資を始める個人投資家でも比較的手軽に始めやすいのが不動産投資ファンドのメリットですが、REITや不動産小口化商品などの不動産投資ファンドにはリスクも存在します。不動産投資ファンドを始めるときは、リスクや注意点についてもしっかりと把握しておくことが大切です。

5-1. REITを始める際の注意点

REITを始める場合の注意点としては、株式・投資信託・債券などの金融商品と同様、クーリングオフができないという点があげられます。REITを始める場合は、利用する証券会社や銘柄をしっかりと確認したうえで購入するようにしましょう。

5-2. 不動産特定共同事業に基づくファンドを始める際の注意点

不動産特定共同事業に基づくファンドの場合は、クーリングオフの対象になりますが、クーリングオフを行うためには期間などの条件があります。商品によっては中途解約ができないものもありますので注意しておきましょう。
また、購入した商品を第三者に譲渡する場合には、組合を運営する運営会社の承諾が必要です。一定期間を経過しても買主が見つからない場合は、組合員の要望により運営会社が商品を買い取ることもありますが、その場合、購入した金額より大きく低い金額で買い取ることになります。
商品よって運用期間や条件が異なりますので、クーリングオフや買取り、譲渡などの条件については事前にしっかりと確認し、自分の条件に合う商品を購入するようにしましょう。

6. 最後に

不動産投資ファンドは少ない資金から始めることができる魅力のある投資方法です。しかし、不動産投資ファンドは投資ですので、リターンが期待できる反面、リスクも存在します。どのファンドを利用するのか、どの銘柄を購入するのかによってメリットやデメリットが異なります。不動産投資ファンドを始めるときは、ファンドの種類や特徴、リスクや注意点も理解したうえで、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

弊社の不動産小口化商品である「Vシェア」は、少額から不動産投資ファンドを始めたい、不動産投資リスクを最小限に抑えたいという方におすすめの商品です。1口100万円単位で5口(500万円)から不動産投資を始めることができます。「Vシェア」は、小口化された現物不動産を保有することになるため、相続対策や相続税・贈与税の節税対策としても活用できるというメリットもあり、長期分散投資に最適です。
「Vシェア」についてさらに詳細を知りたいという方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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  • 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。
写真:橋本 秋人

監修者

橋本 秋人はしもと あきと

FPオフィス ノーサイド代表
保有資格:ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、終活アドバイザー(終活アドバイザー協会) 他

プロフィール
掲載記事

ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント
1961年東京都出身。早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。長年、顧客の相続対策や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。現在は、FPオフィス ノーサイド代表としてライフプラン・住宅取得・不動産活用・相続などを中心に相談、セミナー、執筆などを行っている。
FPオフィス ノーサイドhttps://fp-noside.jimdo.com/

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