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不動産投資の利回りとは?利回りが高い物件に潜むリスクと不動産投資で重要なポイント【FP監修】

不動産投資

写真:橋本 秋人

監修者

橋本 秋人

FPオフィス ノーサイド代表
ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント

目次

「不動産小口化」完全ガイド

不動産投資において、物件選びの指標となるのが「利回り」です。高い利回りの物件に投資することが良い投資であると考える方も少なくありません。しかし、不動産投資では、利回りが高いという判断だけで物件を購入してしまうと、思わぬ失敗を招くこともあります。本記事では、不動産投資における利回りについて解説します。

1. 不動産投資における利回りとは?利回りの計算方法

不動産投資の利回りには「表面利回り」と「NOI利回り」という2種類の利回りがあります。
はじめに2つの利回りの違いや計算方法について解説をします。不動産投資を検討する際には、単に表面上の数字だけに惑わされず、まずは利回りについて正しい理解をすることが大切です。

1-1. 表面利回りとは?表面利回りの計算方法

表面利回りとは、文字どおり、表面的な家賃収入だけで計算した利回りのことを言います。具体的には、1年間で得られる想定家賃収入が、投資物件の購入価格に対して何%になるかをあらわす割合のことで、グロス利回りとも言います。表面利回りは次の計算式により求めます。

表面利回り=年間の家賃収入÷不動産物件の購入価格×100

例えば、満室時の想定家賃収入が年間250万、価格が3,000万円の投資物件の表面利回りは、

250万円÷3,000万円×100≒8.33%

約8.3%となります。

不動産会社の広告やサイトに記載されている利回りは、ほとんどが表面利回りです。投資物件の購入を検討する際に、もちろん表面利回りはおおまかな目安にはなりますが、次の点に注意する必要があります。

  • 表面利回りの家賃収入は入居率100%を想定したものである。
  • 運営経費(税金、管理費、修繕費、保険料など)を考慮していない。

1-2. NOI利回りとは?NOI利回りの計算方法

NOI(Net Operating Incomeの略)とは、家賃収入から、実際にかかる運営経費(固定資産税・都市計画税などの税金、管理費、保険料、修繕費)や想定空室率に対する家賃を差し引いた営業純利益のことです。NOI利回りとは総投資額に対するNOIの割合という意味で、実質利回り、ネット利回りなどとも言います。
総投資額とは、不動産の物件価格に、購入時の諸経費(不動産取得税や印紙税などの税金、仲介手数料、登記費用など)を加えた金額のことをいいます。
なお、NOIでは、実際の支出ではない減価償却費、投資家によって条件が異なる融資の支払利息、不動産所得に対する所得税・住民税は差し引きません。

NOI利回りは、次の計算式により求めます。

NOI利回り=年間の営業純利益(NOI)÷総投資額×100

例えば、表面利回りを計算した前述の物件の購入時の諸経費が300万円、年間の維持管理費と想定空室率分の減額の合計が50万円だった場合、NOI利回りは、

(250万円-50万円)÷(3,000万円+300万円)×100≒6.06%

約6.1%と、同じ物件でもNOI利回りは表面利回りよりも2%以上低くなります。

不動産投資において重要な判断基準になるのは、表面利回りよりも、実際の利回りに近いNOI利回りということになります。

2. 不動産投資利回りの最低ラインや平均はどれくらい?

実際に不動産投資において投資物件を選択する際、利回りの最低ラインはどの程度を想定すればよいのでしょうか?
不動産物件の利回りは、立地や物件の種類、構造、築年数など、さまざまな条件によって大きく変わってきます。

日本不動産研究所が2019年10月に公表した「不動産投資家調査」によると、主なエリアや物件種類別の期待利回りは、以下のようになっています。
なお、期待利回りとは、投資家が投資物件を検討する際に、この程度の利回りは欲しいと期待している利回りのことを言い、NOIを期待利回りで割ったものが投資価値(投資しても良い物件価格)になります。投資家は、期待利回りによって計算された投資価値よりも安く物件が購入できれば投資の価値ありと判断し、高ければ投資を見合わせるという判断をすることになります。

主なエリア、物件種類別の期待利回り

※ 投資家が物件を検討する際に、この程度の利回りは欲しいと期待している利回り

賃貸住宅
〔東京 城南地区〕ワンルーム 4.2%
〔東京 城南地区〕ファミリー向け 4.5%
〔仙台〕ワンルーム 5.5%
〔仙台〕ファミリー向け 5.7%
〔広島〕ワンルーム 5.7%
〔広島〕ファミリー向け 5.9%
オフィスビル
〔東京 丸の内・大手町〕 3.5%
〔東京 六本木〕 3.9%
〔大阪・梅田〕 4.5%
〔仙台〕 5.9%
〔広島〕 5.8%

一般的に、賃貸住宅のほうがオフィスビルよりも期待利回りが高く、また賃貸住宅、オフィスビルとも地方都市のほうが東京よりも期待利回りが高くなっています。さらに賃貸住宅でみると、ワンルームよりもファミリー向けの期待利回りが高いことも分かります。

ところが、実際には、不動産投資家は利回りだけでは投資物件を判断していません。上の表では相対的に利回りが低い東京エリアのオフィスビルですが、投資対象として高い人気が続いています。これは、単に利回りだけではなく、経営自体の安心度や将来のキャピタルゲインも見すえた総合的な投資判断が働いているからと考えられます。

裏を返せば、特に都心のオフィスビルなどは投資対象として人気が高いために、地価の上昇や供給件数の不足などに伴い物件価格も上がり、結果として利回りが低くなっているとも言えます。利回りが低くても投資対象としての価値があるかが重要であると判断している投資家が多いことを表しています。

この期待利回りは、10年前の2010年頃から低下または横ばい傾向が続いています。 また、同調査によると、実際の取引利回り(実際の市場価格を想定した利回り)は期待利回りよりも0.2~0.4ポイント低くなっています。
これも不動産投資物件の需給関係によるもので、不動産投資への意欲の高さを示していると言えるでしょう。

出典:日本不動産研究所「第41回不動産投資家調査®」

このように、エリアや物件の種類によって利回りの差が生じています。不動産投資をするのであれば、やはり利回りの高い不動産物件に投資した方がよいのでは?と考える方も多いと思います。しかし、不動産物件を選ぶ際には、単に利回りが高い物件を選べば良いというわけではありません。
利回りの高い物件には、利回りが高い理由があります。なぜ利回りが高いのかをきちんと確認し、高い利回りの裏に隠された見えないリスクがないかを精査する必要があります。

利回りが高い物件に考えられるリスク

  • 立地が悪い(地方物件、駅から遠いなど)
  • 建物が古い(予期せぬ大規模修繕の可能性など)
  • 修繕計画の策定や定期的なメンテナンスがされていない
  • テナントの入れ替わりが激しい
  • 入居需要が少なく周辺の賃料相場が下落している
  • 売却できない(隠れた瑕疵がある、違反建築、需要がなく買い手がつかないなど)

不動産物件選びの際に、目先の利回りだけに囚われて、これらのリスクについて十分に検討をしないと、後で大きなダメージを負う可能性があります。
また利回りは、立地、建物の条件、周辺の入居需要や賃料相場の変化などによっても変わります。大きなリスクを避けるためには、利回り以外のさまざまな条件もチェックし、ご自身の投資目的や運用スタイルに合わせて判断することが重要です。

3. 不動産投資はライフスタイル・投資目的に合わせて選択を

不動産投資において、利回りに囚われ過ぎて「利回り〇%以上の物件でなければいけない」という思い込みを持ったまま投資物件を選んでしまうと、失敗につながりかねません。

不動産投資物件には、居住用、オフィスビル、商業施設、物流施設、ホテルなどさまざまな種類があります。また居住用物件のなかにも、アパート、マンション(一棟、区分所有)、戸建貸家などのいくつもの種類があります。さらに、現物不動産だけでなく不動産投資信託(J-REIT)や不動産小口化商品という選択肢もあります。
それぞれに特徴があり、不動産投資をしたい方にとっても選択の幅が広がっています。

不動産投資に限らず、資産運用を検討する際には、さまざまな商品や運用スタイルを比較検討すること、また利回りだけに囚われず、ご自身のライフスタイルや投資目的にとって最も適した選択をすることが大切です。

例えば、投資に労力や時間をかけることができ、かつ短期的な収益を求めている方であれば、

  • 常に市場の動向をチェックしながら短期間で運用する
  • パフォーマンスの高い投資対象に資産を置き換えながら運用する

など、短期間で目標利益を得ることを投資目的とした運用スタイルが適しているといえます。

また、管理などに手をかけたくない、リスクは最小限に抑え、安定的な運用をしたいという方は、

  • 利回りの高さだけに惑わされずに安全性の高い投資対象を選択する
  • 投資先をいくつか組み合わせてリスク軽減を図る

など、より慎重な投資判断が必要になるでしょう。

≫ ボルテックスが考える資産運用支援とは

4. 最後に

今回は、不動産投資における利回りについて解説いたしました。
弊社の不動産小口化商品「Vシェア」は、都心の中規模オフィスビルを中心に取り扱っております。不動産投資で通常考えられるリスクを可能な限り抑えたローリスクミドルリターンな商品となっており、個人単位ではなかなか購入しづらい都心の中規模オフィスビルを 1口100万円単位・5口以上(最低口数は変更となる場合があります)から 小口化商品としてご購入いただくことが可能です。
弊社ではすべての商品に対して空室リスクや大規模修繕など突発的なコストが発生するリスク、市場価格の下落リスクなど、様々なリスク要因を徹底的にスクリーニングし、最適なパフォーマンスが出せる物件、長期的な資産価値や収益の安定性を維持できる物件だけをプロの目で厳選しています。
さらに、不動産の管理運営業務もすべて弊社が対応いたしますので、面倒な手間もかかりません。弊社の「Vシェア」は、利回りだけではない不動産投資のメリットを感じていただき、多くのお客様にご利用頂いております。不動産投資についてご検討の際は、ぜひ弊社の不動産小口化商品「Vシェア」をご活用くださいませ。

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写真:橋本 秋人

監修者

橋本 秋人はしもと あきと

FPオフィス ノーサイド代表
ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント

プロフィール
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保有資格:ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、終活アドバイザー(終活アドバイザー協会) 他

1961年東京都出身。早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。長年、顧客の相続や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。現在は、FPオフィス ノーサイド代表としてライフプラン・住宅取得・不動産活用・相続などを中心に相談、セミナー、執筆などを行っている。
FPオフィス ノーサイドhttps://fp-noside.jimdo.com/

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