REITとは?仕組みや現物不動産・不動産小口化商品との違いも解説

資産運用 投資

目次

不動産投資に興味のある人は、「REIT」について興味を持っている方も多いと思います。
REITは不動産を小口取引できる手法の1つです。
小口取引には他にも「不動産特定共同事業法」による小口商品等もあり、違いが今ひとつ分からないといった人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では不動産小口化商品との違いに触れながら、「REIT」のメリットやデメリットについて解説いたします。ぜひ最後までご一読ください。

1. REITの仕組み

最初にREITの仕組みを解説します。

1-1. 投資法人とは

REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略称であり、日本語としては不動産投資信託と略されます。
REITは投資家から出資金を集め、その資金で不動産を運用し、賃料収入や売却益を投資家に配当する金融商品です。

REITそのものは不動産投資信託の金融商品全般のことを指しますが、中でも証券取引所で投資法人の投資証券を購入できるものを「J-REIT」と呼んでいます。
J-REITは、個人でも気軽に売買ができる身近な投資証券ですので、この記事ではJ-REITを前提にREITを解説します。

REITでは、投資法人と呼ばれる特殊な会社が発行する投資証券を売買します。
投資証券は、投資法人という会社の株式のようなものです。
会社の株を購入し、そこから配当を得るという点では、通常の株式投資と同じです。
しかしながら、投資法人は通常の会社との大きな違いが2点あります。

1つ目は、投資法人の事業は不動産賃貸業に制限されているという点です。
例えば大手の不動産会社であれば、ビル賃貸業の他、マンション分譲や仲介業といった他の事業も行っています。
投資法人は、不動産賃貸業だけしかできませんので、上場企業の不動産会社の株式を購入することとは異なります。

2つ目は、投資法人は利益の90%超を投資家への配当に回すという点です。
通常の不動産会社は税引後の利益が株主への配当原資となりますが、投資法人では投資法人に法人税が課される前の利益を投資家に配当します。
よって、通常の会社へ株式投資するよりも、投資家が得られる配当額が高くなるという傾向にあります。

なお、投資法人にはオフィスビルだけのような特定のアセットタイプを持つような特化型と、オフィスビルやホテルなどの異なるアセットタイプも保有する総合型があります。
REITに投資する際は、投資法人にどのような物件が組み込まれているかを見極めたうえで投資証券を購入することが必要です。

1-2. REITを特色づけるスポンサー企業とは

REITにはスポンサー企業というものが存在します。
例えば、日本ビルファンド投資法人なら三井不動産、ジャパンリアルエステイト投資法人なら三菱地所といった会社がスポンサー企業です。

スポンサー企業は、主に投資法人を組成する際、投資法人に対し物件を供給します。
また、投資法人が委託する管理会社に賃貸経営のノウハウや人材を供給するのもスポンサー企業の役割です。

投資法人は、組成する際、1つずつ物件を購入するわけではありません。
最初は、スポンサー企業から複数の賃貸物件を一気に購入し、ある程度の資産規模を持った状態で投資法人がスタートします。
例えば、スポンサー企業が日本橋や丸の内に多くの優良ビルを持っている場合には、最初から優良物件を兼ね備えた投資法人として誕生するのです。
そのため、REITは生みの親であるスポンサー企業の影響を大きく受けており、スポンサー企業の力がREIT銘柄の価値にも大きく影響しています。

REITは、通常の会社への株式投資とは異なりますが、半分はスポンサー企業選びという側面があり、純粋な不動産投資とは言い切れない部分もあります。
REITに投資を行う際は、投資法人のスポンサー企業も確認することが重要です。

2. REITのメリット・デメリット

この章ではREITのメリット・デメリットについて解説します。

2-1. REITのメリット

REITのメリットは主に以下の3つです。

  • 小額から始められる
  • プロが運用している
  • 換金しやすい

数十万円レベルの投資証券もありますので、小額から投資が可能です。
運用に関してはプロが行っていますので、完全にお任せできます。
また、株と同じように証券取引所で売却できるため、換金しやすいのも特徴です。

2-2. REITのデメリット

REITのデメリットは主に以下の3つです。

  • 具体的な投資物件が見えない
  • 倒産リスクがある
  • 組入物件リスクがある

投資法人は複数の物件を運用しています。
投資家からすると、具体的な投資物件が見えにくくなっています。

また、投資法人が倒産すれば投資証券の価値はゼロになります。
不動産であれば価値がゼロになることはありませんが、REITのような投資証券は株と同じですので、完全に毀損するリスクもあります。

REITでは配当を生み出すために利回りの高いハイリスクな物件も組み込まれています。
これらのハイリスクな物件は突然大きな空室を生むこともあります。
投資家側でリスクの高い物件を排除できないという点がREITのデメリットです。

3. REITの特徴

最後に他の不動産投資と比べたREITの特徴を解説します。

3-1. REITと現物不動産への投資の違い

REITは不動産賃貸業だけを行っている会社(投資法人)に対して投資を行いますが、現物不動産投資は実際の不動産に投資をします。

REITでは、Aビル、Bビル、Cビルといった複数のビルを保有している投資法人に対して投資を行っているのであって、不動産に対しては間接的な投資を行っています。
例えば、Aビルには投資したいが、Cビルには投資をしたくないと思っても、REITの場合には様々な物件が混ざった投資法人へ投資をせざるを得ません。

一方で、現物不動産投資であれば、自分が気に入った物件だけに投資ができます。
Dビルが良くて、Eビルは微妙という場合には、Dビルだけを選ぶことができるという点が現物投資のメリットです。

REITは、色々な物件が混ざった状態のものに投資をしなければならず、実体が見えにくいという点があります。
ただし、REITは小額から投資が始めることが可能です。
現物不動産投資は、借入を行い、大きな自己資金も必要なことから、投資しにくいという点がデメリットです。

3-2. REITと不動産小口化商品の違い

不動産小口化商品とは、「不動産特定共同事業法」を利用した投資商品です。
任意組合型や匿名組合型、賃貸借型等の種類がありますが、多くの投資家から資金を集めて不動産を購入し、得られる賃料収入を出資者に分配する投資商品であり、REITと同様に小額から始められる不動産投資の1つとなっています。
プロが運用しており、換金もしやすいというメリットはREITと同じですが、不動産小口化商品は「物件ありき」という点が大きな違いです。

REITでは、色々な物件が混ざった状態の投資法人に対して投資を行います。
Aビルには投資したいが、Cビルには投資をしたくないと思っても、物件を選べないのがREITです。

一方で、不動産小口化商品は特定の物件を複数の投資家で共同して保有しますので、投資をしたくない物件に投資をすることはありません。
不動産小口化商品には、自分で物件を選んで大切なお金を投資に振り向けることができるというメリットがあります。
不動産を選べるという点では現物不動産投資と同じですが、小額でも投資可能というメリットもあるのです。

物件を選べないREITに魅力を感じない人にとっては、不動産小口化商品の方が適しているといえます。

4. まとめ

以上、REITについて解説してきました。
REITは気軽に不動産に投資できる手法の1つです。
ただし、銘柄選定にはスポンサー企業の良否も含めて考える必要があることから、純粋な不動産投資とは異なる部分も存在します。
他の不動産投資の選択肢も含めて、自分に合った最適な投資方法を選ぶことをおすすめします。

  • 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。
写真:竹内 英二

記事執筆

竹内 英二たけうち えいじ

株式会社グロープロフィット 代表取締役
保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引主任者、相続対策専門士、賃貸不動産経営管理士 等

プロフィール
掲載記事

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。
オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。
株式会社グロープロフィットhttps://grow-profit.net/

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